国定大沼公園にて
大沼公園で一番大きい大沼から、活火山「駒ヶ岳」を望んでいます。中央の山がそうですが、羊蹄山の時もそうでしたが、 雲に覆われていて、山容がはっきりと見えませんでした。
説明:現地でのパンフレットや、火山学の文献から
大沼国定公園: 大沼という地名は、アイヌ語の「ポロ・ト(ー)」から由来しているそうです。「ポロ」は 「大きい・多い」、「ト(ー)」は「沼・湖」を意味するのだそうです。活火山の駒ヶ岳と 大沼、小沼、蓴菜(じゅんさい)沼などの大小の湖沼群一帯の 総称として「大沼」と呼ばれています。
駒ヶ岳 標高1131mの活火山の駒ヶ岳は、過去、寛永17年(1640年)、安政3年(1856年)、 昭和4年(1929年)に大噴火が発生しており、平成8年に小噴火を起こし、 現在でも小規模な噴気活動がみられます。 駒ヶ岳はかつて、富士山のような円錐形の1700mほどの火山だったと云われています。 元々、駒ヶ岳は、くりかえし噴火した溶岩と火砕岩が交互に重なってできた円錐形火山です。 このような火山を成層火山といいます。日本では富士山、羊蹄山(蝦夷富士)などが代表的な火山です。 たび重なる噴火活動を経て、寛永17年(1640年)の大噴火によって山頂部が崩壊し、 火口原を取り巻く外輪山として、主峰の剣ケ峯(1131m)、砂原岳(1113m)、隅田盛(892m)、 稜線の駒ノ背(900m)、馬ノ背(850m)が形成されました。 その後、安政3年(1856年)の大噴火、昭和4年(1929年)の大噴火、昭和17年に中噴火を起しています。 最近では、平成8年と10年の小噴火が記憶に新しいと思います。
大沼公園も、この駒ヶ岳の噴火に依って出来たものです。 東方と南方山麓には、寛永17年(1640年)の大噴火のとき、火山体の一部が崩壊し、 なだれのように崩れ落ち堆積しました。これを岩屑なだれ堆積物といい、 大小さまざまな丘が散在する「流れ山」地形を形成しました。
駒ヶ岳南麓の大沼や小沼は、この岩屑なだれが谷を埋め、河川をせき止めたりして成りたったものです。 また、大沼や小沼の湖中に点在する大小の島々も、数度の大噴火の際の岩屑なだれが 作った流れ山です。岩屑なだれ堆積物の表面には、直径数メートルから数百メートルに およぶ丘状の流れ山地形が形成され、大沼周辺一帯には多くの流れ山が分布しています。 この流れ山は、生成過程による特徴的な形状を有しています。その大部分は、 円錐丘状になっており、勾配は駒ヶ岳の方に向かった側がゆるやかで、反対側が 急になっています。これらは、駒ヶ岳溶岩の大小のかたまりで、浮石質と砂礫が 混入しています。この泥流が山頂からふもとに向かって流れだし静止する際、 その中に含まれる重い岩魂が惰性でより進んで堆積し、 そこに軽い岩魂が少しずつ寄り添って形成されたものです。 流れ山の形状が火口側にゆるやかな傾斜をもっていることは、この流れ山が 火口から流れてきたことを証明しています。しかし、湖中に点在する島々(流れ山)
は、 湖水の侵食作用で土砂が洗い流され、岩魂のみが残存しているため、 必ずしも流れ山の特徴を有していないものもあります。
大沼・小沼・蓴菜沼
大沼湖: 駒ヶ岳裾野に広がる大沼は、3湖の中で最も大きく、周囲24km。湖上に 浮かぶ大小の小島は橋がかけられていて、島巡りの散策が楽しめます。
小沼湖: 大沼地区の西方、大沼湖の隣に位置し月見橋でつながっているのが周囲16kmの 小沼。JR北海道の線路からは良く見えますので、途中下車しなくても楽しめます。
蓴菜(じゅんさい)沼: 大沼の特産のひとつ蓴菜(じゅんさい)がよく採れることから名づけられた蓴菜沼は、国道5号線の 西側に在って、JRからは見えませんが車なら見えます。三つの中では一番小さい沼です。 |